『うまくいかないときの心理術』 |
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『ことばおてだまジャグリング』 |
古田 敦也/著 PHP研究所
人間、誰しも苦手なことを克服できなかったり、壁にぶちあたったりすることがあるでしょう。そんな時に必要なのは、「相手の心理を考えること」と「自らの意識や心理状態を変えること」だと著者は言います。
プロ野球の世界で、選手として、また、プレイング・マネージャーとして活躍してきた著者が、個人の心の持ち方やチームリーダーとしての心理術について語っています。
決して恵まれていたとはいえない高校時代の練習環境。しかし、プロで2008試合に出場し、チームとして4度の日本一に輝いた著者。そんな素晴らしい経験ができたのも、心の持ち方が重要だったのです。自らの経験に基づいて記された、たくさんのヒントが詰まった一冊です。
(R.K)
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山田 航/著 文藝春秋
『いつも国語辞典を片手に遊んでいたという著者は、まっすぐに言葉と向き合っている新進気鋭の歌人。
リズムが重要な早口言葉や回文の創作など、たのしみながらあたまも使う様々な言葉のゲームでみんなが遊べる方法をご紹介します。他にも『パングラム』と呼ばれる同じひらがなの文字を二度と使わないというルールで作られた「いろは歌」。しりとりを単語ではなく文章で行い、シチュエーションを「面接」などと決めて楽しむ文章しりとり。
かっこいい言葉の世界を本を入口にのぞいてみませんか?
(Y.M)
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『残り者』
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『築地の記憶 人より魚がエライまち』
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朝井 まてか/著 双葉社
250年続いた江戸時代も、明日江戸城を官軍に引き渡して終焉を迎えるというとき。千を超える女性達が居た大奥も、全員別邸へ移ることとなった。
しかし、誰もいないはずの大奥に残った者達がいた。篤姫(13代将軍妻)の衣服を製作するりつ、御膳所のお蛸、御三之間のちか、和宮(14代将軍妻)の衣服を製作するもみぢ、そして7人しかいない御中臈という役に20代半ばで付いたお蕗。
官軍が明日という約を違え、いつなだれ込んでくるかわからない中、この5名はなぜ居残ったのか。
そして、彼女たちを待つ運命とは…。
(Y.E)
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冨岡 一成/著
さいとう さだちか/写真 旬報社
日本人にも、海外にもその名と威勢が知られている東京中央卸売市場「築地市場」。
魚河岸として400年の歴史を積み重ね、独自の文化を築いてきた築地市場。本作は築地市場の今を知る作者の文章と、沢山の写真でその魅力を紹介しています。
仲卸が使う独特の会話や、築地だけで使われる「築地標準時」、セリの時に使われる「手やり」といわれるハンドサイン等、築地の文化と魅力が語られています。
今年11月の移転が決まっている「築地」の世界を本作でお楽しみ下さい。
(N・Y)
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『ねこのほそみち~春夏秋冬にゃ~』 |
『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』 |
堀本 裕樹・ねこまき/著 さくら舎
季節感を大事にし、短い言葉からその歌が詠まれた時の情景を感じ取ることができる俳句。その中には猫を詠んだ俳句も多くあります。
現代俳句を代表する俳人の一人、著者の堀本さんが猫の俳句を選び、解説。もうひとりの著者ねこまきさんは、堀本さんの解説なしで俳句を詠んだ時のイメージで猫漫画を描かれています。
打ち合わせなしの二人の解説と漫画が絶妙に合わさり、詠んでいると頭の中で猫が動きだしてくるような文と漫画の両方から俳句を楽しむことができます。
(A.U)
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安田 菜津紀/著 新潮社
フォトジャーナリストである著者は、写真を使って報道することに葛藤しながらも、戦禍を逃れ難民となったひとりひとりに向き合い取材を続けています。
本書では、内戦が起こる前のシリアと、内戦後の難民キャンプや病院などを取材し、様々な境遇にある人々の心情を伝えています。
過酷な避難生活の中で、家族や生活のことを心配し、シリアへ帰る日が来ることを願い行動する人々。
これまで見過ごされてきたシリアで起こっている現実を理解し考えるための一冊です。
(H.Y)
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